豚汁のなかみ。

今週のお題「芋」

 

読み方で戦争が起こるこちらの食べ物。私の友人は「とんじる」と呼ぶひとが多かったけれど、学校給食では「ぶたじる」となっていたような気がする。遠いむかしのことなので、記憶はだいぶ曖昧だ。

我が家で豚汁の芋といえばサトイモである。大鍋とはいえ冷凍のむき里芋を1袋、丸々入れて作るので、汁に対する芋の比率がものすごいことになっていた。表面が汁を吸ってとろりとしている2日目夜の食感はぜひ味わってほしい。

ところが、給食や外食で出てくる豚汁に入っているのはだいたいサツマイモなのだ。あれはあれで美味しいものだが、根菜と豚脂だけの甘さのさっぱりした食べ物をイメージしているといささか面食らう。たまに皮だけになった芋に遭遇することもある。それでも、水からじっくり煮込まれて甘くなったサツマイモに、豚と味噌の風味が浸みているのは乙なものだ。

それぞれのよさはあるが、「豚汁が食べたい」と思ったときに欲しい味は、やっぱり慣れた味である里芋の豚汁なのだ。